ミニチュアペイントに適した塗料
ミニチュアの塗装では国内メーカーの水性塗料はあまり筆塗りに適していませんので、こちらで紹介しているような海外メーカーの方がミニチュア塗装に最適化されていて向いています。
基本的には塗料の伸びが良く塗料の隠ぺい力も強いのですが、色によってはバラつきが出てきますので同じような色でも多少使用感は変わります。
また「Model Color」「Game Color」「Formula P3」「Warpaints」「Master Series Paints」間での混色は特に問題ありません。
Vallejo「Model Color」
http://www.volks.co.jp/jp/vallejo/index.html/
元々種類の豊富さと塗料の伸びが良く筆塗りに向いた特性でミニチュアペイントでは人気のあったペイントですが、現在は国内でもボークス社で取り扱いをしているため以前に比べると入手性も格段にあがったため、お奨めの塗料となります。
ただ塗膜が若干弱いので特にゲームで使用される場合はつや消しのバーニッシュスプレーを吹かれる事を推奨します。
私は特に若干青みのある暗灰色の「Dark Gray」、黄色みのある白の「Ivory」を基本色に混ぜて明暗をつける塗り方をしています。
ただ色数が豊富すぎる、ゲームメーカー発行の雑誌等での使用例が少ないので初心者の方は色を選びづらいというのもあるかと思います。
また「Panzer Aces」という戦車模型向けの塗料のラインナップもあります。
お奨め度:★★★★☆
Vallejo「Game Color」
http://www.volks.co.jp/jp/vallejo/index.html/
同社「Model Color」をGames Workshop社の旧「Citadel Paints」に色味を似せているラインナップです。ただ「Model Color」と比べますとテーブルトップゲームのミニチュア向けで塗膜を強くするための成分が多めのため若干使用感が落ちます。
特に旧「Citadel Paints」の色味を真似たいのでなければあえてこちらを選ぶ必要はありませんが「Model Color」より塗膜が強いのでその辺が利点でしょうか。
お奨め度:★★★☆☆
Privateer Press「Formula P3」
http://privateerpress.com/formula-p3
WARMACHINEやHORDEといったミニチュアゲームを展開しているPrivateer Press社が出している塗料です。
自社の作例や雑誌等でのペイント方法の紹介でも使用されているため特に同社のゲームのミニチュアを塗っている人には向いています。(もちろん他社製品でも色の選定が行いやすいと思います)
また筆塗り感も「Model Color」と同等以上で大変使いやすいです。
一方で色数自体は「Model Color」には負けますが「Model Color」と混ぜても特に問題なく「Formula P3」に無い色はそちらでといった使い分けも可能です。
私は黒色にはこちらの「Thamar Black」、白色には「Morrow White」を使用しています。
国内でも同社のゲームを扱っているショップが増えましたので、そちらで購入する事ができます。
お奨め度:★★★★★
Games Workshop「Citadel Paints」
ゲームズワークショップ社の自社製品の作例や雑誌での塗装方の掲載、用途向けに調整したペイントシステムにより入門としては適している塗料になります。
ミニチュア専門店での取り扱いも多いため入手も容易となります。
ただペイントのラインナップが度々一新されて、新しいセットが発売されると旧セットはいきなり絶版となってしまいますので、純粋にペインターとしての目線で見た時には塗料としての信頼性に欠けてしまいます。
個人的には★3つ程度ですが、それでもやはりペイントの入門としては情報が豊富なためおすすめ出来る塗料となります。(同社の販売戦略的に日本語としての情報が今後見込みづらいため執筆時点では若干心配な点もありますが)
他社製品に比べると乾燥が若干早い傾向があるかなと思います。
お奨め度:★★★★☆
The Army Painter「Warpaints」
http://www.thearmypainter.com/
今回紹介している中では、新規参入の方になります「Warpaints」ですが、同社のスプレーと色をマッチングさせている事で瞬く間に人気となりました。
同社ウォッシング用の塗料を利用する事で比較的手軽なペイント方を実現させています。
使用感は「Model Color」「Formula P3」といった所と同じで良好です。
下地のスプレーと同時使用をする事で色数が少ないミニチュアではかなりの時間短縮を見込めます。
また同社の「アンチシャイン・マットバーニッシュ」のスプレー版はつや消しのバーニッシュスプレーの中では現在トップクラスです。
ただ現在は入手できるショップが少ないのが若干ネックとなりますが国内では「Hobby Shop Arrows」にて購入可能です。
お奨め度:★★★☆☆
Reaper Miniatures「Master Series Paints」
http://www.reapermini.com/paints
大量のミニチュアをリリースしているリーパー社が展開している塗料です。
国内では入手がかなり難しいのであまり知られていませんが、海外では比較的使用されていて「Linen White」等一部人気のあるカラーもあります。
こちらも使用感は「Model Color」「Formula P3」といった所と同じで良好で、カラーの展開もベース色に対してハイライトとシャドウといったラインナップをしていて親切になっていて色数がかなり多く展開しています。
またよりピグメント(顔料)を多くした下地の基本塗装に特化させたHDシリーズもあります。
お奨め度:★★☆☆☆
Rackham 「Rackham Color Paint」
一時期これまでにないデザインのミニチュアとハイレベルな作例で、ミニチュアペイントの技術の向上が一気に行われたラッカム社の塗料です。
現在では同社の販売戦略の不振により会社自体が無くなってしまったため入手自体が困難ですが、同社発行の雑誌で頻繁に「NMM」塗装方が紹介されていたために「NMM」の入門として使いやすいカラーのラインナップでした。
一部カラーでは他社の塗料と混ぜると塗料が分離する等ありましたが、そのピグメントの濃さは特筆すべきものでした。
お奨め度:★☆☆☆☆
その他
その他にも戦車模型や飛行機模型に適したカラーラインナップと筆塗りに適した塗料を展開しているメーカーがあります。
国内では入手が限られますが、一部模型専門店で取り扱いがあります。
ミニチュアゲームでもこれらをテーマにしたものでは色の選定がしやすいという特徴があります。
お奨め度:★★☆☆☆